今回は、格安スマホに代表される携帯電話サービスの利用状況を読者モニターに尋ねた。MVNO(仮想移動体通信事業者)だけでなく、格安スマホ対抗の「Y!mobile」も対象に含めた。

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 個人で利用中のユーザーは37.3%。2016年5月調査(2016年7月号掲載)に比べ、4.4ポイント増えた。一方、利用していないユーザーに理由を聞くと、「サポート対応が心配」と「しばらく様子を見たい」が最も多かった。「通信品質や通信速度が心配」も僅差で続き、依然として重い課題が残る。

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 利用中のサービスはインターネットイニシアティブ(IIJmioなど)が16件と最も多かった。以下、ソフトバンク(Y!mobile)と楽天(楽天モバイル)が9件ずつ、ケイ・オプティコム(mineo)が8件と続いた。契約種別は音声対応が32件に対し、データ通信のみ(SMSを含む)が26件。契約容量は「1Gバイト以上、3Gバイト未満」(28件)、月額料金は「500円以上、1000円未満」(12件)が最も多かった。

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 利用中のユーザーに不満を聞くと、やはり「通信品質が悪い」(12件)や「音声通話料金が高い」(9件)が目立った。とはいえ、今後の利用意向は「続けたい」が78.0%と多数を占め、「携帯電話大手に切り替えたい」は4.0%にとどまった。

ユーザーのひと言

卸売業・小売業
佐藤将氏
 MVNOが多数乱立しているが、利用者数を下回るネットワーク基盤(=少ない帯域幅による相互接続)でビジネスを展開している事業者が散見され、悪い評判しか聞こえてこない。最低限の帯域幅による相互接続、または一定の通信品質を維持する基準をユーザーに示し、選択しやすい環境を作るべきである。

●調査概要
調査対象:「日経コミュニケーション」読者モニター/調査方法:日経BPコンサルティングのインターネット調査システムで実施/
調査日程:2017年5月24~6月1日/回答企業数(回収率):385社中134社(34.8%)