弥生は国内における業務パッケージソフト販売で先鞭を付けたベンダーとして知られる。創業期に業務ソフトの世界でイノベーションを起こし、今もその精神を保ちながら、会計パッケージソフト市場で存在感を放っている。しかし振り返ると、劇的な転換期を何度も乗り越えてきた波瀾万丈の歴史をもつ企業でもある。長年に渡り会計パッケージ市場をけん引してきた弥生の強さの理由を探り、今後を展望してみたい。

度重なる時代の変遷を経てなお市場の上位に

 約30年に及ぶ弥生の歴史を見ると、日本の中小企業における会計業務の自動化、IT化、自計化の流れと歩を同じくしていることが分かる。オフコンからパソコンへのダウンサイジングが進むにつれ、ソフトとハードの分離が進み、会計業務用のソフトウェアパッケージを利用することが主流になっていった。このときに弥生が果たした役割は大きい。

 弥生の歴史は、3回の劇的な転換点によって、以下の4つの時代に分かれる。

1. 企業創業期(1980年前後~)
2. 「弥生」としての独立(2003年~)
3. ライブドア傘下に(2004~2007年)
4. オリックスの資本参加(2014年~)

 弥生の前身となる日本オールシステムズは1978年に設立された。97年には米インテュイット社(当時)の日本法人となったが、2003年、MBOによる独立を果たし「弥生」になった。その後、ライブドアに買収され、2007年からはさらにベンチャーキャピタルによる“占領統治”時代を迎えたが、2014年末のオリックスによる買収でようやく、安定しつつあるのが現状だ。

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 これだけの変遷を遂げながら、なぜ同社は、業務パッケージ市場で常に高いシェアを維持し続けて来られたのだろうか。振り返ってみよう。

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