「CRM(顧客関係管理)やBI(ビジネス・インテリジェンス)といった攻めの業務システムを導入すべきか。それともセキュリティやバックアップなどで守りを固めるべきか」「ハードウエアを自社で購入して社内に設置すべきか。それともクラウドを利用すべきか」

 IT活用における選択肢が年々多様化するなか、こんな風に頭を悩ませているユーザー企業は少なくない。そんなとき参考にしたいのが、「他の多くのユーザー企業はどのような選択をしているか」である。

 そこで今回は、1300社のユーザー企業を対象とした調査結果から、IT商材の選択における昨今の変化を見ていくことにする。

中堅中小企業のIT投資トレンドを定点観測

 ノークリサーチでは毎年、年商500億円未満のユーザー企業1300社を対象に、IT投資に関する調査を実施している。そこで毎回尋ねていることが、「最も主要な(プライムの)販社/SIerから、どのようなIT商材を導入したか?」である。ここで「最も主要な販社/SIer」とは、「過去3年間で最も取引額の大きいIT商材の購入先」と定義している。

 IT商材の対象分野は、ハードウエア、ソフトウエア、サービスと広範囲にわたるが、具体的には以下の13カテゴリである。

基幹系システムERP(統合基幹業務システム)、生産管理、会計管理、販売・仕入・在庫管理、給与・人事・勤怠・就業管理といった業務アプリケーションソフトウエア
情報系システムワークフロー、グループウエア、文書管理・オンラインストレージサービスといった業務アプリケーションソフトウエア
運用管理系システム運用管理・資産管理、セキュリティ、バックアップといったIT管理/運用ソフトウエア
分析/出力系システムBI、帳票といった業務アプリケーションソフトウエア
顧客管理系システムSFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)を含めたCRM関連の業務アプリケーションソフトウエア
ハードウエアサーバー機器、PC、スマートデバイス、ストレージ機器、ネットワーク機器
事務機器複合機(プリンタ、コピー機、ファックス送受信機を含む)
インターネット接続サービスインターネットへのアクセス回線を提供するサービス
データセンターサービスサーバーのハウジングや、データセンター設備を提供するサービス
IT関連アウトソーシング業務システムの運用/保守に関するアウトソーシング
業務アウトソーシング実業務に関するアウトソーシング(コールセンター業務など)
クラウド以下のいずれかに該当するもの
・IaaS/ホスティング(ハードウエアやネットワークをサービスとして提供)
・PaaS(システム開発/運用を担うミドルウエアをサービスとして提供)
・SaaS(アプリケーションをサービスとして提供)
その他上記以外のIT商材

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