ワークフローは物品購入や出張旅費精算などにおける申請/承認処理を効率化する手段として、既に多くのユーザー企業で利用されている。だが、最新の調査結果を見ると、より広範な業務を対象とした新たなニーズが生まれつつあることが分かる。そこで今回は、「ユーザー企業はワークフローを今後どう捉えていくべきなのか?」というテーマについて、調査データを交えながら考えていくことにする。
付属のワークフロー機能で間に合わせるユーザー企業も
まず、ワークフローの導入状況を確認しておこう。以下のグラフは年商500億円未満のユーザー企業を対象に「導入済みのワークフロー製品/サービスのうちで最も主要なもの」を尋ねた結果である。
このアンケートで選択肢に挙げたワークフロー製品/サービスのタイプは以下の通りである。
【専用のワークフロー製品/サービス】ワークフロー機能を主体とした製品/サービスである。年商500億円未満の企業層で導入社数シェアが比較的高い代表例としては、「FlowLites(EXPLANNER/FL)」(NEC)、「Intra-martワークフロー」(NTTデータイントラマート)、「GLOVIA smart ワークフロー」(富士通)、「X-Point/Agile Works」(エイトレッド)、「eValue NS」(OSK)などが挙げられる。
【ERPに付属のワークフロー機能】「SAP ERP」などのERP製品/サービスに付属するワークフロー機能を活用している場合が該当する。
ちなみに、上述の「EXPLANNER/FL」や「GLOVIA smartワークフロー」はそれぞれ、基幹系システム(会計、販売、人給、生産など)をラインナップする「EXPLANNER」シリーズや「GLOVIA smart」シリーズで、ワークフロー機能を担う製品として導入されることもある。「Intra-martワークフロー」についても、「SAP ERP」のフロントエンドとして活用されてきたという経緯がある。
このようにグラフ上は「専用のワークフロー製品/サービス」に該当するものの、実際にはERPや基幹系システムと密接に連携しているケースは少なくない。
【グループウエアに付属のワークフロー機能】「サイボウズOffice」や「desknet's NEO」など、代表的なグループウエア製品/サービスにおいても、スケジューラや掲示板といった主要機能の一つとしてワークフローを備えているものが少なくない。それらを利用している場合が該当する。