2014年から2015年にかけては、Windows XPやWindows Server 2003のサポート終了などに伴うOSやハードウエアの入れ替えが相次いだ。PCとサーバー双方のサポート終了対策が終わり、一息ついているユーザー企業も少なからずあるだろう。だが、OSやハードだけでなく、アプリケーションについても重要なサポート終了対策が残っている。
今回は最も身近なアプリケーションの一つである「ブラウザー」関連のサポートにおける重要事項を起点に、スマートフォンやタブレットなども含めたマルチデバイス環境にも考慮しつつ、アプリケーション開発の今後の展開について考えていくことにする。
IE 8は2016年1月以降サポートされなくなる
PC側とサーバー側の双方にモジュールを導入する必要がある「クライアント/サーバー型」のシステムに比べて、ブラウザーで利用する「Webアプリケーション」はOSやハードの変化に強いと捉えられることが多い。だが、土台となるブラウザーに大きな変化が生じたらどうなるだろうか?実はそうした事態が間近に迫っている。
「Internet Explorer(以下、IE)」はWindows環境において最も多く利用されているブラウザーの一つだが、当然ながらそのIEにもサポート期限が存在する。しかし「IEが動作するOSがサポートされている間はIE自身もサポートされる」(つまり、OSとそのOSにインストールされているIEはサポート期限が同じ)と誤解して、IE自体のサポート期限を気にしていないユーザー企業も多いのではないだろうか?
過去には、上記の捉え方が当てはまるケースも少なくなかった。だが、間近に迫った2016年1月13日からは 状況が大きく変わる。マイクロソフトのサポートポリシー変更により、「各Windows OS上でサポートされるIEのバージョンはそのOSで動作する最新版のみ」となる(詳しくはマイクロソフトのWeb を参照のこと)からだ。
例えば、PC向けのWindows OS上で今後サポートされるIEのバージョンは以下の通りだ。
Windows Vista SP2 | IE9 |
Windows 7 SP1 | IE11 |
Windows 8.1 Update | IE11 |
Windows 10 | IE11 |
Webアプリケーションで使われているHTMLやJava Scriptの互換性などを考慮して、Windows 7 SP1上でIE8を利用しているユーザー企業は少なくないだろう。だが、そうした企業も、2016年1月以降は最新のIE11にバージョンアップする必要がある。IE11も下位互換性のための各種機能を備えているが、少なくともバージョンアップ前に一通りの動作確認を行う必要があるだろう。