スプレッドシートやプレゼンテーション資料など、社員一人ひとりが日々作成する非定型のオフィス文書は、業務システムと並び、企業が管理すべき重要データである。クラウド、スマートデバイス、AI(人工知能)といった新たなITトレンドの登場で、オフィス文書の活用や管理のあり方も変わりつつある。今回は、その際に留意すべきポイントについて、調査データを交えて考えていく。

最新ITでオフィス文書管理も変わる

 まず、クラウド/スマートデバイス/AIといったITの新たなトレンドがオフィス文書管理にどのような影響を与えているかを確認しておこう。「クラウド」「スマートデバイス」「AI」の登場を契機に始まった、オフィス文書管理の新たな取り組みとして、今後主流になりそうなものを以下に挙げる。

オフィス文書の「置き場」がシフト

 オフィス文書は従来、社内のファイルサーバーに格納するのが一般的だったが、近年は「Dropbox」や「OneDrive」などのオンラインストレージサービスが急速に普及しており、オフィス文書の格納場所としても活用が進んでいる。

スマートデバイスとクラウドの相乗効果

 読者の皆さんもおそらく実感している通り、オフィス文書を利用する端末のバリエーションは大きく広がっている。近年急速に進んだ、企業でのスマートフォンやタブレットの活用は、上記のクラウドの普及と両輪の関係にある。

「スマートデバイスを導入したことで、社外からオフィス文書を利用したいというニーズが生まれ、オンラインストレージサービスを導入した」という流れもあれば、逆に「オンラインストレージサービスを導入して社外からオフィス文書を利用できる環境が整ったことが、スマートデバイス導入を後押しした」というケースもある。

オフィス文書そのものにも新たな可能性

 AIは、「クラウド」「スマートデバイス」よりも新しいトレンドである。オフィス文書は非定型であるために、従来のプログラミング手法でその内容を理解したり、自動生成したりすることは難しかった。だがAIの登場により、オフィス文書活用の新たな発想が生まれてくる可能性もある。

 最先端の取り組みでは、「過去の記事内容から文体や論旨の特徴を学習し、最新データを元に独自の記事をAIが執筆する」といった例もある。

 このような“時代背景”の中、ユーザー企業はオフィス文書活用に何を求めているだろうか。調査結果から探ってみよう。

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