スマートフォンが一般消費者に広く普及し、大企業によるタブレットの活用事例も数多く目にするようになった。中堅・中小企業においても、スマートフォンやタブレットといった、いわゆる「スマートデバイス」を活用したビジネス展開に対する期待と関心は高い。

 しかし、スマートデバイスをビジネスに活用できている例はまだ一部に限られているのが実情だ。多くの中堅・中小企業が「どうやったら成功できるのか?」を知りたいところだろう。先進的な成功事例には、実は共通した特徴がある。今回はそれら、スマートデバイス導入成功の秘訣について解説していくことにする。

成功事例には3つの共通した特徴がある

 「タブレットやスマートフォンを利用している」という中堅・中小企業は、意外に多い。ところが、詳しく尋ねてみると「経営層が自分自身の勉強のためにタブレットを購入している」「社員が個人で所有するスマートフォンでメールをチェックしている」といった、属人的、局所的な活用にとどまっている例が少なくない。

 こうした個人的、局所的な活用は、ノートPCや従来型のフィーチャーフォンでも可能であり、「スマートデバイスだからこそ実現できる業務改善」とは言えない。中堅・中小企業の多くは、タブレットやスマートフォンに可能性を感じつつも、自社の業種/業態を踏まえた効果的な活用シーン(業務改善につながる活用法)を見いだせていないのが実情ではないだろうか。

 一方、スマートデバイスの活用を推進する立場であるIT系の販社/SIerにとっても、ユーザー企業の課題やニーズが明確でないため、どんなソリューションを提供すべきかの判断が難しい。

 このような状況で有効なのは、比較的進んだスマートフォン/タブレット活用の実践事例から共通する特徴を探り、そこから成功のエッセンスを見出していくというアプローチである。先に結論を言ってしまうと、後述する数々の成功事例に共通するのは、以下の3つの特徴である。

1.業種の言葉で考えること
2.発生源入力を伴うこと
3.売上増に結びつくこと

 以下では小売業における調査結果を材料に、3つのポイントを詳しく見ていくことにする。

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