前々回前回の2回に亘り、オンプレミスのサーバー環境に起きつつある変化を見てきた。サーバーと並んで、ユーザー企業の業務システムを支える重要な基盤がストレージだ。そこで、今回はユーザー企業を対象とした「今後のストレージ導入予定」に関するアンケート結果を元にストレージ活用のポイントを探っていくことにする。

まずは様々なストレージ形態を理解することが大切

 ストレージとは「IT活用における各種のデータを格納/保存するハードウエアやサービス」と定義される。「サービス」という用語が含まれていることから分かるように、ここで言うストレージには、「ハードウエアとしてのストレージ(ストレージ機器)」だけでなく、「クラウド形態で提供されるオンラインストレージサービス」も含まれる点に注意が必要だ。

 「ハードウエアとしてのストレージ」は、サーバーに直接接続するDASストレージ、ストレージ用のネットワークを構成するFC-SANやIP-SAN、ファイルサーバーなど、既に馴染みのある形態が多いだろう。一方、「オンラインストレージサービス」は、スマートデバイスの普及と共に企業での利用が進みつつある新しい形態だ。

 「Dropbox」などに代表される、ファイルサーバーがクラウド化した形態に加え、「Amazon S3」などのように、主にIaaS上で稼働するシステムのデータ格納先として用いられる形態もある。サーバー調達の手段としてクラウド(IaaS)の存在感が増しているのと同様に、ストレージ調達においても、クラウドを含めた広い視点が必要になってきているわけだ。

 このように多様化するストレージを、「ストレージ機器」と「オンラインストレージサービス」に大別した後、それぞれをどう整理するかについては、様々な観点がある。ここでは、サーバーやPCからストレージへのアクセス(接続)形態に基づいて、次ページのように分類した。

図1 さまざまなストレージの形態
図1 さまざまなストレージの形態
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