SaaS形態の業務システムを利用するユーザー企業は、基盤となるサーバーやミドルウエアなどを用意する必要がない。そのため、導入前の試用も可能だ。実際、多くのクラウドサービスには何らかの「お試し利用」プランがある。

 SaaSに限って言えば、ユーザー企業が業務システムを導入する際にすべきことは、「基盤をそろえる」ではなく「数多くのサービスから適切なものを選ぶ」になる。この手間や負担を軽減する取り組みとして登場したのが「クラウドマーケットプレイス」だ。

 このクラウドマーケットプレイスについて、ユーザー企業はどうとらえるべきだろうか。また、クラウドマーケットプレイスがユーザー企業に今後受け入れられるためにはどのような進化が求められるのか。今回は、この2点について考察していくことにする。

7割弱がクラウドマーケットプレイスをまだ知らず

 まず、クラウドマーケットプレイスとは何かを明確にしておこう。ノークリサーチでは以下のように定義している。

【マーケットプレイスの定義】

 ユーザー企業が様々な分野の業務システムに関する情報収集、選定/導入を行えるほか、ユーザー企業同士やビジネスパートナー(会計士、税理士など)と情報交換できる場も設けているWebサイトやサービス。

【クラウドマーケットプレイスの定義】

 マーケットプレイスのうち、クラウド(主にSaaS)形態のサービスを主要な取り扱い対象としているもの。

 つまり、クラウドマーケットプレイスとは単に数多くのSaaSを並べたものではなく、選定/導入を様々な観点から支援する仕組みを伴ったユーザー企業向けのWebサイトを指す言葉である。具体例としては以下のようなものが挙げられる。

「N-town」(NEC)
「App Exchange」(セールスフォース・ドットコム)
「オープンクラウドマーケットプレース(MINONARUKI)」
(日立システムズ)

「IBM Cloud marketplace」(日本IBM)
「NwaaS Style」(ネットワールド)
「富士通WEB MART forクラウド」(富士通)
「azmarche(アズマルシェ)」(富士通マーケティング)
「iDATEN(韋駄天)SaaSplats」(ダイワボウ情報システム)

 では、クラウドマーケットプレイスは実際にはどれくらい利用されているのだろうか。以下のグラフは、年商500億円未満の企業に対し、「クラウドマーケットプレイスの認知/活用状況」を尋ねた結果である。

図●年商500億円未満の企業におけるクラウドマーケットプレイスの認知/活用状況
[画像のクリックで拡大表示]

 「既に利用中」と「利用予定がある」を合計しても1割を下回っている一方、「全く知らない」は7割弱に達している。つまり、クラウドマーケットプレイスはまだその存在自体、あまり知られていないことが分かる。

次ページ以降はITpro Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。