多くのユーザー企業にとって、クラウドは既にシステム導入/運用における主要な選択肢の一つとなっている。しかしながら、「コストを削減できるのか?」「セキュリティ面の心配はないか?」といった素朴な疑問の声も依然として少なくない。そこで今回は、こうした疑問に対してクラウドを導入済みのユーザー企業はどう考えているのかを、実際の調査結果を元に探っていくことにする。クラウドを賢く活用するためのヒントもそこから見えてくるはずだ。
ユーザー企業の多くが抱く3つの疑問
クラウドの導入を検討する際にユーザー企業が抱く疑問は様々だが、その中でも特に多く聞かれるのが以下の3つだ。
1. コストを削減できるのか?
2. セキュリティ面の心配はないか?
3. モバイル端末との相性は良いのか?
ユーザー企業がクラウドに期待するメリットの筆頭に挙げられるのが、1のコスト削減だ。だが、何でもクラウドにすれば安くなるというわけではないことも、既に多くのユーザー企業が認識している。そこで、「どうすればクラウド活用でコスト削減効果が得られるのか?」が焦点となってくるわけだ。
2のセキュリティに関する不安は、クラウドが登場した頃に比べればかなり解消されている。とは言え、データの漏洩や消失に関するニュースが報じられる度に、「他者に預けることのリスク」を指摘する声が多く聞かれるのも事実だ。「一般的なクラウド利用であれば、それほどセキュリティを心配する必要はないのだろうか?」。これも、クラウド導入に際して多くのユーザー企業が改めて確認したいと考えることの一つである。
昨今のクラウド活用と密接に関連する項目が、3のモバイル端末との相性だ。クラウドサービスには、PCだけでなくスマートフォンやタブレットにも対応したものが多い。そのため、ユーザー企業の中にはモバイル端末の導入をきっかけに、「業務システム側もクラウドに移行すべきなのか?」という悩みを抱えるケースも少なくない。