2016年現在、人工知能(AI)やブロックチェーンなどの技術が注目を浴びている。これら先進テクノロジを活用することによって成り立つ“デジタル・ビジネス”への期待が高まっている。

 この一方で、企業の情報システム(IT)部門は、これら先進テクノロジの流行に当惑している。デジタル・ビジネスを始めると言われても「何をやればいいか分からない」のが実態だ。

 企業は、デジタル・ビジネスに取り組むための素地として、まずはバイモーダル(二つの流儀)の考え方を取り入れる必要がある。デジタル・ビジネスを推進する際には、スキルと人材への先行投資も必要になる。

「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を発表

図1●先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年 https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20160825-01.html 出典:ガートナー(2016年8月)
図1●先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年 https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20160825-01.html 出典:ガートナー(2016年8月)
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 ガートナーは2016年8月、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2016年」を公開した(図1)。黎明期には、スマートダスト(大量にばらまいて使う、塵のような超小型センサー)や量子コンピューティング、ブレイン・コンピュータ・インタフェースなど、近未来感のあるキーワードが並んでいる。

 テクノロジの革新により、デジタル・ビジネスは、今後、さらにリアリティを持つものとなる。ITシステムだけでなく、ビジネスそのものが変わる。

 例えば、IoT(モノのインターネット)のメリットとして、工場の効率化が語られているケースがあるが、IoTの潜在能力はこれだけではない。製造業のサービス産業化を生むなど、業態に大きなインパクトを及ぼす。

 FinTechも破壊と創造の象徴となっている。米Citigroupの調査では銀行産業の30%の従業員が先進テクノロジによって職を失うという。

 3Dプリンタで人間の甲状腺や卵巣を作るといった試みも始まっている。人間の身体を3Dプリンタで、脳をAIで補完する時代がやってきている。

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