ビジネス・データを分析するBI(ビジネスインテリジェンス)で、大きな動きが続いている。対話型の操作によってデータの中に隠されている事実を発見する「データディスカバリー」と、ビジネス部門の現場が自らデータを探索する「セルフサービスBI」だ。これらは、今後のデジタルビジネスを推進する上でのカギになる。

 セルフサービスという言葉だけを聞くと、楽しくて楽観的な印象を受けるが、こうした側面だけを見ていると問題が起こる。例えば分析対象のデータを準備しておく必要は引き続きあるし、セルフサービスBI時代に合わせたリーダーシップやルール作りもある。

 一般的に、BIでは大きく二つの使い方が意識されている。一つは、情報を必要とするエンドユーザーから要件を聞き出して、要件に基づいてレポートを作り、いくつかの切り口で業務実績を確認できるようにする使い方である。もう一つは、データ分析の専門家が分析した結果を社内で共有し、これを個々人の意思決定に生かすという使い方である。

 これに対して、セルフサービスBIでは、ビジネス部門にいる現場のエンドユーザー自らがデータを分析する。これによって得られたビジネス上の「気づき」を、日々のビジネスの意思決定に役立てる。このようなことは、これまで表計算ソフトのExcelを使ってやっていたと思われるが、Excelよりも便利であることをセールスポイントとして、いわゆる「セルフサービスBIツール」が多数のベンダーから提供されてきている。

 こうしたセルフサービスBIのツールとしては、米Tableau Softwareの「Tableau」、米Qlik Technologiesの「QlikView」、オーストラリアYellowfin Internationalの「Yellowfin」、米Microsoftの「Power BI」などがある。

データや分析ツールがあふれかえって制御不能にならないように

 現在のユーザー企業には、IT部門が介在していない、ビジネス部門主導のITシステムがたくさんある。ビジネス部門のエンドユーザーは、さまざまな場所で、さまざまなタイミングで業務アプリケーションを調達している。こうした多様化した調達先のそれぞれからデータを集めてきて、これを合わせて分析したいという需要が高まっている。

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