社員同士のエンゲージメント(信頼、絆)の強化を目的に、主に欧米でチャットソフトが普及しつつある。平たく言うと、「チームワークを良くしよう」「お互いをよく知ろう」「情報共有を密にやりましょう」という目的で使われている。

 日本では、これまで「飲み会」を開催するなどしてやってきたことだ。そうした慣習のない欧米で、今さら飲み会をやるわけにはいかないので、飲み会の代わりにITを使ってエンゲージメント(信頼関係)を強化しようとしている。

 ITを活用したエンゲージメントの強化という取り組みは、理に適ったものだ。グローバル社会で海外企業と協業する際に、地球の裏側同士で飲み会や大部屋でのコミュニケーションはできない。だからITが重要になる。

 欧米の企業では従来、ビジネスライクに仕事をこなしてきた。しかし、この10年のうちに定型的な業務をインドや中国にアウトソースした結果、非定型的な業務だけが残ってしまい、立ちゆかなくなった。

 非定型業務ばかりになると、ビジネスライクなやり方のままでは日本に勝てないのだ。日本に学び、エンゲージメントを強化する方向へと舵を切ったのだ。

社内コミュニケーションをメールからチャットに切り替えよ

 エンゲージメントを強化するツールの代表格がチャットソフトだ。チャットは電子メールよりもいくつかの面で優れている。

 電子メールは、証跡を残すといった重い目的を持っている。手紙をメタファーにしているので、初めての人にも出せる代わりに、慣れた人にも同じ文化で接する。冒頭に「お世話になっております」といった文言を入れるなど、文化的な縛りが強い。

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