デジタル技術が企業のビジネスを変えている。ここで重要なポイントは、デジタル技術が進化しているだけでなく、ターゲットとなる顧客自体もデジタル技術を活用して進化しているという点だ。顧客なしにはビジネスは成り立たないことを忘れてはならない。
ビジネスを成長させるために、顧客に対して何を働きかければよいのか。これは大きく、四つの要素にまとめられる。(1)顧客戦略の立案/強化、(2)顧客理解力の強化、(3)CX(カスタマーエクスペリエンス)の強化、(4)営業力・販売力の強化――である(図1)。
前提として、(1)の顧客戦略の立案/強化が重要になる。どういった顧客をターゲットにするのか、どういったモノを提供するのかという戦略を、これまで以上に強化する必要がある。
戦略とひも付いた形で、(2)の顧客理解力の強化も大切だ。顧客を分析する需要は大きいが、戦略抜きにデータを集めても意味がない。戦略とひも付けた形で洞察しなければならない。
戦略と顧客理解に続く施策の実行部分が、(3)のCXの強化と、(4)の営業力・販売力の強化だ。使い勝手のよいEC(電子商取引)サイトを作るケースのように、この二つは相互に絡み合わないとうまくいかない。