2017年の驚きの人事といえば、日本マイクロソフト会長だった樋口泰行氏がパナソニックに電撃移籍したことだ。樋口氏は2017年4月、パナソニックでBtoB事業を手掛ける「コネクティッドソリューションズ社」の社長に就任した。コネクティッドソリューションズ社は2018年3月期の売上高1兆1030億円、営業利益690億円を見込み、2019年3月期には売上高1兆1860億円、営業利益880億円を目指す。この目標を達成するためにどう舵取りするのか。樋口氏に聞いた。

(聞き手は戸川 尚樹=ITpro編集長、編集は田中陽菜=日経コンピュータ)


今年4月にコネクティッドソリューションズ社の社長に就任し、早くも半年以上がたちました。力を入れていることを教えてください。

 日本マイクロソフトでの10年間、全力疾走してヘトヘトになりました(笑)。「もうゴールしたし、いいかな」と思っていたところに、(パナソニックから)お誘いをいただき、引き受けることにしました。もう1回、全力疾走しているところです。

 当たり前なのにできていないこと。それをきっちりやろう――。コネクティッドソリューションズ社の社長としてやるべきことは、こういうことです。私のこれまでの歩みと同じで、変えるつもりはありません。

パナソニックで コネクティッドソリューションズ社の社長を務める樋口泰行氏
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 お客様志向が欠落していないか。世の中の変化に鈍感になっていないか。悪い情報が上層部に上がらなくなっていないか。社員がしらけていて、評論家が増えていないか。

 会社は活性化の努力をやめた途端に、こうしたおかしなことが起きてしまうものです。企業の文化が腐らないよう、正しいことをやりましょう。ベースはこれです。これまでもそう考えて、社員が元気になるように舵取りしてきました。

 「いけるぞ、やろう」という感覚を社員が持つと、それだけで10%ぐらい結果が良くなる、という経験もしてきました。その点、この半年で、(コネクティッドソリューションズ社も)少しずつ元気になってきていると思っています。

具体的にはどのような取り組みをしていますか。

 働き方改革、ダイバーシティ、コンプライアンスの3つについて、近代化が少々遅れているところがあるので手を打っています。例えば、働き方改革については、コネクティッドソリューションズ社の本拠地を10月1日、東京に移転しました。

 やはり最新の情報は東京にありますから。「ビジネスモデルを制したものが制す」という世の中で、社員がビジネスモデルの感度を高めるには日本の中では東京しかない、と思っています。

 東京の新オフィスには、フリーアドレス制を導入しました。社員の固定席はなし。私も含めて役員の個室はなし。ペーパーレス。こうした新しい職場環境で、コミュニケーションを円滑にし、組織の活性化を進めます。東京オフィスでの取り組みをほかの拠点に、順次展開していこうと考えています。

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