日本では、IoT(Internet of Things)やロボティクス分野が注目を浴びている。起業が盛んなシリコンバレーでも、これらの分野で続々とスタートアップ企業が登場している。日本の大学で学び、現在はシリコンバレーに拠点を置くベンチャー・キャピタル(VC)である、Fenox Venture Capitalのアニス・ウッザマン氏に、シリコンバレーの最新起業事情を聞いた。

(聞き手は菊池 隆裕=日経BPイノベーションICT研究所


2年ほど前、シリコンバレーの起業事情をうかがったときには、モバイル、ソーシャル、クラウド、ビッグデータの広がりを背景に、生活に根差したサービスが数多く登場しているとのことでした(関連記事:ベンチャーがルールを変える、タクシーや旅行業界などに変革)。最近のトレンドを、どう見ていますか。

 最近は、4個のトレンドの話をしています。1つは、IoT(Internet of Things)。2020年には500億個のデバイスがインターネットにつながるようになると言われていますが、数あるインターネットデバイスのなかでも、特に健康/医療、製造、小売り、農業に注目しています。

写真1●Fenoxのアニス・ウッザマン氏
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 健康/医療分野では、analyticsMDに注目しました。医療機関の資源を効率利用するための可視化・解析・予測ツールを開発するスタートアップ企業です。

 製造ではメンテナンスの効率化を目指す企業があります。生産設備の停止時間を減らしてくれます。小売り分野では、顧客が商品棚の前にくるとクーポンが送られてくるサービスや、顧客の店内での移動履歴を分析して店舗のレイアウトを改善してくれるサービスを提供する企業もあります。農業分野のIoTは、日本では少ないかもしれませんが、米国では盛んな分野の1つです。

 第2のトレンドは、IoT分野でも触れた健康/医療です。日本でも医療費の国家負担の増加を背景に治療から予防へのシフトが注目を浴びていますが、米国では、この予防分野は病院ではなくITが担うと考えられています。

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