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セブン、イオンに勝る効率経営、神戸物産

2014/10/29

大豆生田 崇志=日経情報ストラテジー

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 「業務スーパー」という店舗名で一般消費者も購入できる格安スーパーをフランチャイズチェーン(FC)で展開する神戸物産。「売上高販売管理費比率」が6年連続で全上場小売企業のトップに君臨する。2011年度は3.8%。少ない数字ほど効率的な販売で売り上げを得ていることを示す。超効率経営を支えているのは「どの商品をどこで販売するか」、迅速な意思決定ができるITシステムだ。

写真1●業務スーパーの店舗は入荷した商品ケースをすべて陳列
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 神戸物産の売上高販管費比率は2012年度に4.3%となり、全上場小売企業の首位を維持しそうだ。2位以下は2ケタ台にとどまり、アスクル(20%)やセブン&アイ・ホールディングス(29.6%)、イオン(31.4%)など大手小売企業を大きく引き離す。神戸物産が販売シェアの高い大手小売企業よりも効率的な経営を継続している原動力の1つは、ITの徹底活用にある。

 2012年10月期の連結売上高が1574億円、営業利益が42億3400万円の神戸物産は、1981年に沼田昭二前会長が兵庫県加古川市で創業。主力の業務スーパーは2000年以降、FC戦略を本格化。2013年4月に北海道に進出し、全国で631店を展開。外食や中食の店舗も手がけている。これらの店舗にプライベートブランド(PB)の食材を供給しているのが国内20社、海外5社のグループ会社だ。

 「製販一体」で仲介コストを削減する独自の業態が特徴の神戸物産は、1次産業に力を入れている。国内では農業や牧場、養鶏、漁業も手がける。北海道では大豆やじゃがいも、黒豆、長芋を育て、約800頭の牛を飼育。宮城県では震災の復興支援をかねて漁船も購入。農業生産法人としては国内最大規模の1500ヘクタールの農場を保有し、18の食品加工工場が稼働する。

 海外にも農場や工場を持ち、仕入れ先は38カ国、発注先の海外メーカーは1060社にも及ぶ。

「IT企業が食品を扱う」姿勢で効率化

 国内外に拡大する取引先企業やFC展開を支えているのが、ITである。2001年に中途入社した田中康弘副社長が、2003年に発足した経営管理システム部門のリーダーを任され、「食品会社がITを駆使するのではなく、IT企業が食品を扱っているようにシステムを作ってほしい」とトップから指示されたのがIT活用のきっかけだ。

 当時システム部門のリーダーだった田中副社長が最初に手がけたのは、すべての取引先企業との受発注をインターネットで完結する仕組みの導入だった。受発注システムの完全なウェブ化は当時まだ珍しい。当初はシステム開発会社も「夢みたいな話で無理だ」と開発を渋ったほどだったという。

 だが田中副社長は、海外からでも誰もが低コストで受発注システムを利用できるようにするには、ウェブ化しかないと導入を決断。それまで請求書の印刷にプリンターを丸1日動かし、10数時間かけて封筒に請求書を入れて切手を貼るといった手作業を一掃し、メールを送るだけで完了するようにした。それ以来、独自の目利きで費用対効果に合うシステムを次々と導入している。

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出典:日経情報ストラテジー 2013年6月号pp.94-97
(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

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