ALSOKのブランド名で知られる綜合警備保障(ALSOK)では、警備業務に生かすためにスマートフォン「TOUGHPAD(タフパッド)」「TORQUE(トルク)」合計4000台の導入を決めた。スマホを利用するのは、契約先に設置したセンサーからの警報に対応する隊員と、機器の保守メンテナンスにあたる技術担当者だ。このスマホの大量導入によって、隊員はより迅速かつ確実に現場に駆け付けることができ、技術担当者は効率的に作業を行えるようになったという。
契約先に異常がないことを確認した隊員が車に戻ろうとすると、防弾チョッキの右ポケットに入れているスマホが、新しい通知を受信したことを知らせてくる。取り出してみると隣町の契約先に向かうようにという指示が。
急いで車に戻った隊員は、Bluetoothで契約先の情報をカーナビに送信。スマホから情報を受け取ったカーナビは契約先の場所を地図上に表示する。現地到着までにかかる時間は10分。隊員は周囲の安全を確認して車を発車させた――ALSOKの隊員たちはこうして日常の業務をこなしている。
この効率的な警備業務を支えているのが2007年にALSOKが導入した「隊員指令システム」だ。契約先にセンサーを設置し、異常があれば隊員が現場に出向いて対応する「機械警備」と言われるサービスに活用してきた。目的は1分1秒でも早く現場に到着することだ。警備業法では通報を受けてから25分以内で対応することが求められているが、同社は20分という社内目標を掲げ、これまでさらに短時間で急行する実績を残してきた。隊員指令システムはこの目標達成に大きく貢献してきた。
従来の隊員指令システムでは、GPS対応の携帯電話が利用されてきたが、今、そのデバイスが「TOUGHPAD」と「TORQUE」に置き換えられつつある。なぜ「隊員指令システム」にスマホが導入されたのか。それによってどんな効果が期待されているのだろうか。
