1.1万1000人の美容部員(ビューティーコンサルタント)全員に、iPadを配布。
2.年70冊6000ページの商品カタログ・マニュアルをすべて電子化したほか、店頭での応対アプリケーションと社内業務アプリケーションを開発。
3.メーキャップシミュレーターなどの応対アプリケーションにより、「楽しい」「分かりやすい」カウンセリングが可能に。

 資生堂は2013年6月、約1万1000人の美容部員「ビューティーコンサルタント」に、iPadを配布。顧客サービス向上、情報共有のスピード向上、生産性の向上、そしてコスト削減に大きな成果を挙げている。

 ビューティーコンサルタントは、百貨店やドラッグストア、スーパーなどの量販店(GMS)、化粧品専門店の店頭で、中価格帯~高価格帯の化粧品をカウンセリング販売している。具体的には、商品説明やメーキャップのアドバイス、顧客の要望や肌悩みの確認、スキンケアの実演といったカウンセリング活動を通じて、顧客に最適な化粧品を提案、販売する。店頭へは自宅から直行し、事業所への出社は月に2度程度という。

写真1●資生堂情報ネットワーク ネットワーク企画部長の毛戸一彦氏
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写真1●資生堂情報ネットワーク ネットワーク企画部長の毛戸一彦氏

 同社では、ビューティーコンサルタントの社内業務をサポートするために、2002年に携帯電話を支給。コミュニケーション機能(掲示板や本社への提言、施策・商品に関する質問、メッセージのやりとり、お客様の声の報告など)、活動実績報告、勤務実績報告という3つの機能を提供していた。

 この携帯電話を、今回、すべてiPadに置き換えた。ビューティーコンサルタントに配布したiPadを、同社では「ビューティー・タブレット」と呼んでいる。

 ビューティーコンサルタントのサポート端末を、携帯電話からiPadに置き換えた直接の理由は、携帯電話のサポート終了が2013年6月に迫っていたこと。もっとも、「携帯電話は主流ではなくなっていたし、付加価値を付けるためにも次はタブレットだな、と2012年頃から考えていた」(資生堂情報ネットワーク ネットワーク企画部長の毛戸一彦氏、写真1)という。