年間70冊、6000ページの紙のカタログ・マニュアルをすべて電子化

 これらの狙いを実現するために、ビューティー・タブレットには、社内業務を支援するための「Bureau」アプリケーション、「Smart Catalog」と呼ぶ商品カタログ・マニュアルの閲覧機能、そして、店頭でのカウンセリングを支援するための応対アプリケーション---という3つの基本機能を実装した(写真4)。

写真4●ビューティー・タブレットのデスクトップ画面
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写真4●ビューティー・タブレットのデスクトップ画面

 Bureauアプリケーションは、携帯電話で提供していた社内業務の支援機能をiPadに移植したものだ。携帯電話で提供していたコミュニケーション機能、活動実績報告、勤務実績報告に加えて、スケジュール機能を追加した。これにより、ビューティーコンサルタントの社内業務の生産性が大きく向上したほか、Bureauに入力した店頭情報を本社でリアルタイムに共有することで、店頭情報を商品開発や宣伝販促などに反映するスピードも向上した。Bureauの開発には、IBMのMEAP(Mobile Enterprise Application Platform)である「Worklight」を利用した。

 Smart Catalogは、紙の商品カタログ・マニュアルを電子化したもの。ビューティー・タブレットの導入前は、ビューティーコンサルタントに年間70冊、6000ページにも及ぶ紙の商品カタログ・マニュアルを配布していた。これを、すべて電子化し、月2回、タブレットに配信するようにした。「紙の電子化で、印刷コストを削減しただけではなく、カウンセリングシートなどの紙の店頭ツールをタブレット上に1本化したため、ツールの管理コストも削減できた」(髙島氏)。

 商品カタログ・マニュアルの電子化は、ビューティーコンサルタントにとっても、メリットは大きい。以前は、重い紙の商品カタログ・マニュアルを持って店頭に行かなければならなかったが、今では、タブレット1台だけ持って行けば済む。保管場所も必要ない。「タブレット1台あれば、どこでも勉強できることも大きなメリット」(伊藤氏)という。