すぐに画像が見せられることで医師の仕事の効率もアップ

 「システム面ではかなり詰めてカットオーバーを迎えることができた」(中島氏)というタブレット画像参照システムは予定通り12月1日から運用を開始した。今までのところ、全く問題は起きてないという。

 現在、整形外科、小児科、耳鼻科、外科など、11の診療科に導入されている。タブレットは全部で15台。各病棟に1台の割り当てになる。「まずミニマムサイズで導入」(中島氏)することで実績を積み上げていく構えだ。

写真4●「今までフィルムで見せていたのに比べると、大変便利になった」と語る整形外科の二田水千里医師
写真4●「今までフィルムで見せていたのに比べると、大変便利になった」と語る整形外科の二田水千里医師

 実際にシステムを利用している整形外科の二田水千里医師は「主に術後の説明や回診の時に使っている。動けない患者さんにもベッドサイドで使える。しかも、画像を拡大できるので見せたいところをしっかり見せられる。術後にすぐに見せられるので、効率も良くなった」と語る。今は病棟に1台なので、取り合いになることもあるという。

 また、PACSのバックアップシステムとしてこのシステムの存在がクローズアップされたこともあった。「PACSのサーバーがネットワーク障害でダウンしたことがあった。だが、タブレット画像参照システムと電子カルテシステムは動いていて、患者さんの画像を見ることはできた」と河野氏。トラブルがあったのは幸いにも日曜日だったために、それほど大きな混乱にはつながらなかったというが、バックアップシステムの重要性は再認識されたはずだ。