「止めない」その3:いつでも連絡がつくという安心感
実際に、前線で飛び回るMRは新しいインフラをどんな風に活用しているのか。GIP東京医薬支店学術営業所の渡部直子氏に聞いた。
渡部氏は朝、昼、ときには夕方も、担当する医療機関を訪れるという。iPhoneとiPadは常に持ち歩いており、iPhoneは主に連絡手段として、iPadは医師に資料を見せる際や、ファイザーの社内アプリケーション「PLANET」でスケジュールや行動履歴などを管理するのに使っている(図)。
渡部氏は「ドクターからのメールには急いで返信しなくてはいけないことが多いので、メールはiPhoneでチェックしてすぐ返信している。iPhoneがなかったら仕事にならない」と話す。以前はPCがそういう存在だったが、今はそれがiPhoneに代わり、まさに肌身離さず持っているという。「ドクターもこちらの状況はご存じなので、いつでも連絡がつくという安心感をもっていただけているのではないか」という。
その一方でPCによる作業もある。オフィスにほとんど立ち寄れない週もあるので、移動の合間に自動車の中で調べ物をしたり、メールを書いたりする。そんな際にWi-Fi WALKERが活躍している。「Wi-Fi WALKERを使うようになってPCでの作業が早くなった。出先で大容量の文書を急いで調べてドクターに急いで返信しなくてはならない、といった場面でも、すぐに必要な作業が終わる」と渡辺氏は話す。
もちろん、いつでも連絡がつくという安心感は、電波がつながることが大前提となる。そこで、今回、電波状況を改善する体制も整備した。各地の医療機関を訪問するMRなどからリクエストがあると、KDDIが現地調査を実施し、必要に応じてリピーター(増幅器)やフェムトセル基地局を設置するなどの対策をとる。「地方の病院の駐車場や医局など、様々な場所について迅速に対応してもらっている」(海老原氏)。