「止めない」その1:アプリのもっさり感はNG

 ファイザーがiPhone 5Sへの切り替えに踏み切った最大の理由は、導入から3年ほどが経過したiPhone 4の動作が遅いという不満の声が、社内で多く上がっていたことだ。

写真●ファイザーが今回導入したiPhone 5Sの画面
写真●ファイザーが今回導入したiPhone 5Sの画面
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 MRの支援を担う医療事業管理グループ事業企画部担当課長の海老原肇氏はMRの要求レベルについてこう説明する。「MRは忙しく、ときには秒刻みで動かなければならないため、アプリの動作がもっさりしているとすぐ仕事に影響が出る。2013年秋にiOSのバージョンが7になったときなど、動きが非常に遅くなり使いにくいという声があちこちから上がった」。このことも今回の刷新の引き金になった。

 岡崎氏も、「外勤の社員にとってiPhoneはライフライン。パソコンよりもモバイル端末の方が使用頻度が高いだけに、仕事への影響はクリティカルなのではないか。一定のペースで十分な性能が出せる機種に更新していく必要があると考えている」と語る。

 今回iPhone 4をiPhone 5Sに更新し、LTE通信を採用したことでアプリのもっさり感は解消した。だがアプリの動きの他にも「MRの動きを止めない」を実現するためにクリアすべき要件はほかにもあった。