高砂熱学工業は、15年間利用してきたグループウエア「Notes」をクラウドに移行。メールや文書管理などのコミュニケーション基盤を国内外の拠点で統一する。延べ100回以上の研修を実施したため、移行時のトラブルはほとんどなし。1500件を超える膨大な文書データベースの移行は、利用者に任せることで棚卸しを兼ねた

 空調設備の設計や保守などを手掛ける高砂熱学工業は、15年間利用してきたグループウエア「Lotus Notes/Domino(以下、Notes)」を、日本マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Office 365」に移行している。国内の本社や支店などの利用者およそ3100人については2013年中に移行を完了。2014年度末までには海外拠点にもOffice 365を導入し、メールや文書管理などのコミュニケーション基盤を統一する(図1)。

図1●NotesからOffice 365への移行スケジュール
図1●NotesからOffice 365への移行スケジュール
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サポート切れでクラウドを選択

 高砂熱学工業では、メールの送受信や業務文書の管理・共有するためのツールとして、1998年にNotes R4.5Jを導入。以降、バージョンアップを繰り返し、利用し続けてきた。だが、2013年末に、現在利用しているバージョンのサポート切れを迎えるに当たり、「メールや文書管理のシステムを見直すことにした」(経営管理本部の小松久芳情報システム部長)。

 国内だけでもシステムの利用者が3000人以上いる同社。全社のメールシステムを移行するとなると大仕事だ。このため2012年に入ると、すぐに移行の検討を開始した。まずは、Notesをバージョンアップして今までのようにオンプレミスで運用するか、それともクラウドサービスに移行するのかを検討した。

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