日本経済のグローバル化、成熟化の中で、大企業のみならず、中堅・中小企業も売り上げ増大に向け、販売戦略の転換が求められています。新商品、新サービスの開発は言うまでもなく重要ですが、もはや、良い商品を作れば売れるという時代は過ぎ去りました。新たな販路開拓と営業力強化がなければ、いかに優れた商品・サービスであっても、買い手の購買心をくすぐることはできないのです。

 ここではネット販売による販路拡大や、営業活動の記録・活用、販売データ分析などを見ていきましょう。

1.eコマースの時代

 経営学者のピーター・ドラッカーは、「IT革命の本命はeコマース(電子商取引)だ」と言いました。そこにはBtoC、つまり直接、消費者に販売するビジネスもあり、法人顧客を相手とするBtoBのネット取引もあります。共通しているのは、ITを活用することで販路が拡大し、業務の効率化が図れ、ビジネスに利益をもたらすチャンスがあることです。また、「BtoBtoC」と言われるように、全てのビジネスは企業間取引から最終的に消費者へとつながっています。物流を大幅に効率化する管理手段「サプライチェーン・マネジメント」では、素材メーカーから消費者までをネットでつなげることによって、各工程の時間短縮や物流全体の最適化を達成しました。

規模の大きいネットショッピングサイトとしては、楽天やアマゾン、ヤフーなどのサイトが主要プレーヤーになっている(画面は楽天)
規模の大きいネットショッピングサイトとしては、楽天やアマゾン、ヤフーなどのサイトが主要プレーヤーになっている(画面は楽天)

 現在、国内には数多くのネットショッピングサービスがあります。規模や品ぞろえの観点から見れば、楽天、アマゾン、ヤフーなどが主要プレーヤーになっていると言えるでしょう。商品を販売したい企業にとって、まず、こうしたサイトに出店することが幅広い消費者にアプローチする有効な方法であることは間違いありません。

 一般のネットショッピングサービスに出店し商品を販売すると、そこには少なくない手数料が発生します。また、出店企業が独自にマーケティングを強化しようと考え、顧客に直接アプローチしたいと思っても、十分な顧客情報を提供してもらえないのが普通です。お仕着せのサービスから一歩踏み出して、出店者がもっと有効なマーケティング手法を実施しようとすれば、自社のサイトを構築し、直接、顧客に販売するしかありません。

 いずれの方法にせよ、ネット販売を実施するということは、同時に受注から出荷、配送、請求、入金にかかわる基幹業務をシステム化することが不可欠です。それもネットのスピードに対応するには、業務処理を1日1回の一括処理でこなすのでは全く間に合わず、リアルタイムに行うことが必要です。

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