話題を呼ぶコンテンツ企画が口コミの鍵

 有料かつ購買行動に直接的に結び付けやすいLINEの普及により、Twitterは「口コミ拡散」とFacebookは「ファン層に向けたリッチコンテンツ」といった役割が注目されるようになった。全方位でSNSを活用する企業の多くが「3つの媒体で投稿するメッセージやコンテンツを完全に切り分けている」(日本コカ・コーラの豊浦統括部長)という運用が浸透し始めている。

図1●話題のイベントに絡めたコンテンツで口コミを集めた日本コカ・コーラ
図1●話題のイベントに絡めたコンテンツで口コミを集めた日本コカ・コーラ
サッカーのFIFAワールドカップで日本代表の初戦の中継時間に、Twitter上で自社商品を使ったゴールシーンの再現映像などを継続的に投稿。企業の投稿としては高い7800のリツイートを達成した。
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 日本コカ・コーラは2014 FIFAワールドカップ期間中に、「リツイートで口コミを拡散させる」というTwitterの特徴を生かした新コンテンツの制作に挑んだ。「HONDA」など選手と同じ名前の入った飲料商品をサッカー選手に見立てて日本代表戦を中心に得点シーンなどを再現する「人形劇」の映像を制作。試合時間中に投稿した(図1)。

 2014年6月15日の日本代表チームの初戦の最中に、本田圭佑選手の得点シーンを再現して投稿した映像は話題を呼び、企業のアカウントとしては高い7800のリツイート数を記録した。リツイートした人の影響力にもよるが、投稿を見た人のリーチはこの数十倍以上に達する。企画に当たっては選手の肖像権やスポンサー契約などに抵触しないかなど様々な問題を潰していったという。「1万リツイートを目標に、今後も企画に取り組みたい」と豊浦統括部長は話す。

 ネット生保のライフネット生命保険も、Twitterなどを活用して話題作りを重視した口コミ戦略に力を入れている。担当するマーケティング部の岩田慎一部長代行は、その戦術を「知名度のある経営トップを使い倒し、ソーシャルと組み合わせる」と表現する。例えば、2012年の上場時には、同社の出口治明会長をコラージュ写真の素材にしてセリフを考えるという、ユーザー投稿型のマーケティングを実施し、話題を集めた。「保険に興味がなくても次第に当社の社名に目が止まる、カラーバス効果を狙った」(岩田部長代行)。

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