企業のデジタルマーケティングに大きな進化が起こりつつある。
位置情報を利用して来店者の行動を可視化したり、ソーシャルメディアを通じて企業の商品やブランドに対する見込み客などの意向を把握したりと、より密に顧客とつながる企業が現れ始めた。
鍵を握るのは、新型の決済サービスなどを駆使する「O2O(Offline to Online)」とワンツーワンで消費者とコミュニケーションが取れるようになってきた「SNS」の活用。
企業システムにうまく連携させるためには情報システム部門の支援が欠かせない。
顧客とつながる企業の決め手
企業のデジタルマーケティングに大きな進化が起こりつつある。
位置情報を利用して来店者の行動を可視化したり、ソーシャルメディアを通じて企業の商品やブランドに対する見込み客などの意向を把握したりと、より密に顧客とつながる企業が現れ始めた。
鍵を握るのは、新型の決済サービスなどを駆使する「O2O(Offline to Online)」とワンツーワンで消費者とコミュニケーションが取れるようになってきた「SNS」の活用。
企業システムにうまく連携させるためには情報システム部門の支援が欠かせない。
有料かつ購買行動に直接的に結び付けやすいLINEの普及により、Twitterは「口コミ拡散」とFacebookは「ファン層に向けたリッチコンテンツ」といった役割が注目されるようになった。全方位でSNSを活用する企業の多くに3つの媒体で投稿するメッセージやコンテンツを完全に切り分ける運用が浸透し始め…
SNSを使った企業マーケティングに新風が巻き起こっている。利用者数で国内トップに躍り出たLINEが販売促進用のメッセージ機能など様々な企業向けの機能拡張に力を注いでいるからだ。特にAPIを企業に開放する「LINEビジネスコネクト」への反響が大きい。
O2Oのもう一つの鍵となる、近距離でスマホが信号を受け取るビーコン技術は、見込み客の来店の把握などで効果を上げ始めている。ビーコン技術には、アップルのiBeacon規格のほか、タグキャストの「Tagcast」やNTTドコモの「Air Stamp」がある。
都内に2店舗を持つ高級志向のハンバーガーチェーン「the 3rd Burger」は、利用者がレジに並んだり財布を取り出したりすることなく、注文から調理品の受け取りまでが可能な接客運用システムを実現した。このシステムの特徴は、すべての手続きがスマホだけで完結するところにある。
いつもの道を歩いていると、スマートフォンから耳慣れた通知音が聞こえてきた。画面を見ると、通りすがりの自動販売機から飛んできたキャンペーンのお知らせだった──。日本コカ・コーラは2014年6月から7月中旬まで、このような通知が可能な新型の自販機の実証実験を東京・原宿の一部地区で実施した。