「デスクトップ仮想化に移行した後、ログイン処理が異常に遅くなってしまった」

 これは、ある企業で実際に起こった問題である。その後、この企業ではストレージを追加購入し、ストレージ間で処理を分散したことで問題が改善された。原因は、ストレージの性能だったのだ。

 今回は、デスクトップ仮想化環境におけるストレージの選定について紹介する。この環境において特に注意いただきたい、ストレージの性能問題と対策にフォーカスする。

増加傾向にあるデスクトップ仮想化

 デスクトップ仮想化とは、仮想化技術を活用し、デスクトップPC(以下PC)などをサーバー側で集中的に管理するソリューションだ。

 一昔前は、運用コストの効率化やセキュリティ対策を目的としてデスクトップ仮想化へ移行する企業が多かった。最近では、スマートフォンやタブレット端末などを活用したワークスタイルの変化に対応する目的で導入する企業が増えている。

デスクトップ仮想化の構成

 今回は、主に企業内のPCを仮想化する環境を考える。PCを仮想マシンとしてハイパーバイザー上で動かし、ユーザーが使用するクライアント端末に画面情報を転送する方式だ。まず、そのデスクトップ仮想化環境の構成を見てみよう(図1)。

図1 デスクトップ仮想化のシステム構成例
図1 デスクトップ仮想化のシステム構成例
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 この方式では、PCのOSは仮想化されハイスペックなサーバーに集約される。ストレージも共有ストレージを採用するのが一般的だ。この環境を構成するソフトウエア製品としては、VMware社の「Horizon」やCitrix社の「XenDesktop」が有名だ。

 仮想化技術を使用して物理サーバーに集約するという点だけに注目すると、サーバー仮想化環境のシステム構成と同じだと言える。

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