今回は仮想環境を使う際のストレージの選び方だ。
サーバー仮想化環境の構成としては、複数台の物理サーバーをクラスタ化し、共有ストレージを組み合わせるのが一般的だ(図1)。仮想化機能を提供するソフトウエア(ハイパーバイザー)が物理サーバー上で稼働し、仮想化されたサーバー(仮想マシン)を動作させる。ストレージには、その仮想マシンのOSやデータが格納される。
共有ストレージを利用する理由は、仮想化のメリットを最大限活用できるからだ。例えば、仮想マシンを稼働させた状態で別の物理サーバーへ仮想マシンを移動させたり、物理サーバーが障害でダウンした際には、その物理サーバー上で稼働していた仮想マシンを、別の物理サーバー上で再稼働させたりできる。
なお、物理サーバーと共有ストレージの接続プロトコルは、仮想マシンで稼働するアプリケーションの種類や特性に応じて選択するようにしたい。
サーバー仮想化を利用する際のストレージには、個別のサーバーで運用していたときには問題にならなかった課題が顕在化してくる。今回は、以下の観点から、どのような課題があり、それに対処するためにどのようなストレージを選択すべきかを解説する。
- 複雑なワークロードへの対応
- 運用管理