早過ぎても遅くても駄目、“ソノトキ”をいかに捕らえるか
前回は、集客の基本設計をするうえで大切なSTPや、施策への落とし込み方を説明しました。今回は、「集客」で集めた見込み顧客との関係を発展させていく「育成」について説明したいと思います。
そもそも、なぜBtoBマーケティングには、育成が必要なのでしょうか?。大きな理由のひとつに、BtoCとは購買行動が全く異なることが挙げられます。BtoCであれば個人の判断で、ある程度自由に、欲しいときにモノを買うことができます。しかし、BtoBにおいては、すぐに購買が決まるケースは稀です。見込み顧客が、購買に向けたアクションを起こす“ソノトキ”を狙い、タイミング良くアプローチを仕掛けなければなりません。
ソノトキとは、ある課題を解決するために、製品やサービスの導入に向けた動きが具現化した状態のことです。BtoBの場合、ここで段階的な購買プロセスを経て、起案化、予算の承認に至ります。そして、予算枠からこぼれた時点で、ソノトキは過ぎ去り、来年あるいは次の買い換え時期まで手の打ちようがなくなります。
そのため、優秀な営業部員はお客様の予算感とソノトキを見極め、タイミング良く訪問を繰り返すことによって案件をキャッチしているのです。ところが現在は、そんな営業部員たちも苦戦を強いられています。ソノトキを捕らえることが、今まで以上に難しくなっているのです。
BtoBの購買プロセスは、ここ数年で起案化までのプロセスが2割以上長期化しているとも言われています。また、第1回の記事でも述べたように、営業部員は数字を出すために“ソノトキ”案件がある客を狙いたいものです。いつ起案化するかわからない見込み顧客にできる限りリソースを割きたくないというのが本音でしょう。そんな中、ソノトキをキャッチして新規顧客を創造するのは、今やマーケティング部門の仕事になろうとしています。
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