前回、自動で見込み顧客との接点を管理できるマーケティング オートメーション(MA)について説明しました。今回は、見込み顧客との接点をつくる“元”になる「コンテンツ」の重要性と、作成のポイントについて解説します。
筆者は、BtoB企業こそ、ブログ記事などのコンテンツを積極的に作成し、マーケティングの重点施策の一つに位置づけるべきだと考えています。その背景には、BtoB特有の商習慣と、見込み顧客との接点が取りづらくなっている現状があります。
なぜ、コンテンツが重要なのか?
①見込み顧客ごとに購買のタイミングが存在する
BtoBの場合、自社の製品やシステムを購入してもらえるチャンスが常にあるわけではありません。商談や購買に至るまでの期間が長期化することが多く、見込み顧客によってそのタイミングもまったく異なります。
②タイミングを補足するために定期接点が必要
いつ発生するか分からない購買のタイミング。商談の機会を逃がさないためには、見込み顧客の動向を観測し、事案化の動きをキャッチする必要があります。そのためには、継続的に接点をつくり、相手の反応を見極めることが大切です。
③従来は、定期接点のために営業がネタをつくっていた
これまで多くのBtoB企業において、接点を生み出していたのは営業でした。営業担当者は見込み顧客に対して定期的な訪問を行い、さまざまな情報をお土産にして、相手の興味をかき立てつつ、ニーズやタイミングを探り出していました。
④現在は、営業担当者が継続訪問しにくい環境にある
見込み顧客は、インターネットなどの便利で強力な情報収集ツールを得たことで、わざわざ時間を割いて営業担当者から情報を聞くことを避けるようになっています。また、セキュリティの強化などから従来のような気軽さでオフィスを訪ねることが難しくなっています。
⑤営業担当者に代わるネタづくりが必要に
見込み顧客と直接会うことが難しい。しかし、購買のタイミングを知るためには、接点を継続させるための情報提供手段が必要。こうした板挟みを解消する施策こそがコンテンツマーケティングです。マーケティング担当者が積極的にコンテンツをつくり配信することで、多くの見込み顧客との接点を効率的に生み出すことができます。
また、見込み顧客と継続的な接点を持つことは、タイミングの見極めだけでなく、さまざまな効果を生み出します。よく知られているのが「ザイアンス効果」と呼ばれるもので、相手との接触回数がふえるほど、相手はこちらに対して好感を持つようになるというものです。
従来のような営業が通用しなくなった今、これからの接点創出を担うのはマーケティング部門の役目です。では、その元となるコンテンツとは、どのようなものか。次ページから具体的に説明します。
この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です