新人営業のD太君と先輩SEのM子さんの今日の訪問先は、木工家具メーカーのY社です。IT担当のB主任とデザイナーのSさんは2人で、世界を驚かせる製品を開発している最中ですが、資金不足がネックになっているとのこと。そこで、金融機関の融資でもなく、ベンチャーキャピタルの投資でもない、事業にかけた思いに応える新しい資金供給のカタチとして世界で急速に普及している「クラウドファンディング」の活用を提案しました。

D太 では、来週にも新しいCADシステムを納入させていただきます。

B主任 よろしくね。

D太 ハイ。ところで、B主任とSさんは2人で消費者をターゲットにした画期的な製品を開発しているんでしたね。順調に進んでいますか?

B主任 詳細はいえないけど、ハイテクに関する私の知識と、Sさんのデザイン力を組み合わせたものなんだ。まもなく、世界がアッと驚く製品が登場するはずだ。

Sさん でも、1つ問題があるんです。

D太 それは何ですか?

B主任 実は資金が足りないんだ。設計までは順調に来たんだけど、製造に乗り出す手前で足踏み状態になっている状態だ。私たちのアイデアを評価してくれている社長からも、「もうこれ以上は出せない」といわれているんだ。

Sさん でも、なんとか日本の中小企業の力を世界に知ってもらおうと思っているんです!米国にはベンチャー企業に出資する、エンジェルと呼ばれる富裕な個人投資家がいるそうですね。私たちの前に天使が降りてくればいいのですが。

M子 クラウドファンディングを活用しませんか?

Sさん クラウドファンディング…。それはいったいなんですか?

M子 クラウドファンディングのクラウドは、雲のcloudではなくて、群衆を意味するcrowdです。インターネットを介して、多くの人から小口のお金を調達する手法です。2000年代に欧米でスタートし、日本でも2011年に起きた東日本大震災を契機に、クラウドファンディングが続々と立ち上がりました。

B主任 復興支援のための資金を集めようということですね。

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