第4回もM2M/IoTを後押しする「コスト削減」と「最適化」について、主に技術や標準化の側面から詳しく解説する。今回注目するのは、「移動体通信」「近距離無線」「新プロトコル」という三つのジャンルの技術だ。移動体通信では「NFV」が、近距離無線の標準化分野では「IEEE 802.11ah」が、新プロトコルでは「CoAP」や「MQTT」などがそれぞれ最適化を後押しする。

移動体通信 LTE端末をGSM並みに低価格化へ

 携帯電話システムの標準化団体である3GPPでは、2011年6月に仕様が凍結されたRelease 10から継続的に、MTCと呼ぶM2M/IoTに最適化した機能拡張が進んでいる。

 3GPPではMTCのサービス要件として「低モビリティー」「タイムシフト可能な通信」「データ転送量が少ない」といった項目を洗い出し、制御信号の抑制やネットワーク輻輳回避を目指した拡張を進めている。例えばRelease 10ではネットワーク部分における輻輳回避のための拡張が施され、2013年6月に仕様が固まったRelease 11ではシステム面における拡張が追加された(図1)。3GPPの技術要素は、標準化が固まってから1年半から2年程度で商用展開されることが多いため、2014年から2015年にかけて、これらの技術が携帯電話事業者のネットワークに実装されていく可能性がある。

図1●3GPPにおけるM2M/IoT向け機能拡張の動き
図1●3GPPにおけるM2M/IoT向け機能拡張の動き
3GPPではM2M/IoT関連の通信をMTC(Machine Type Communication)と規定している。最大の目的は、大量のM2Mデバイスがモバイルネットワークに接続した際に、制御信号を軽減すること、そしてネットワークの輻輳を回避することだ。
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 なおM2M/IoTに最適化できる技術としては、昨今注目を集めているNFVがある。こちらも2015年以降、携帯各社のコアネットワークに入っていく計画が見えてきている。

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