日経NETWORK編集長の勝村 幸博
日経NETWORK編集長の勝村 幸博

 国内初の情報セキュリティの国家資格である「情報処理安全確保支援士」。2017年4月に実施された第1回試験に合格して同資格を取得した筆者は先日、資格の取得者に義務付けられているオンライン講習を受講した。お値段は2万円。その感想を述べたい。

 情報処理安全確保支援士(以下、支援士)は、情報セキュリティの専門的な知識や技能を有することを認定する国家資格制度。

 情報セキュリティに関する国家試験としては、情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験制度の枠組みで、「情報セキュリティスペシャリスト試験(セスペ試験)」が実施されてきた。

 このセスペをベースに作られた、情報セキュリティに関する士業が支援士である。セスペ試験は2016年秋期(10月)を最後に廃止され、2017年春期から支援士試験になった。同試験は、情報処理安全確保支援士制度という、従来とは別の枠組みで実施される。

情報処理技術者試験制度と情報処理安全確保支援士制度
情報処理技術者試験制度と情報処理安全確保支援士制度
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 支援士試験の内容は、セスペ試験と全く同じといっても過言ではない。出題範囲や難易度、試験時間など、ほとんどすべてがセスペ試験と同じである。

 セスペとの大きな違いは、登録制の国家資格になったこと。試験に受かるだけでは支援士になれない。登録免許税9000円と登録手数料1万700円を払って、支援士として登録する必要がある。

 定期的に講習を受ける必要もある。資格取得者に対しては、年1回のオンライン講習と、3年に1回の集合講習の受講を義務付ける。

 セスペ試験をはじめとする情報処理技術者試験には講習はない。一度合格すれば、一生、その試験合格を名乗れる。支援士では、講習を受けないと資格を取り消されてしまう。