日経FinTech編集長の原 隆
日経FinTech編集長の原 隆

 約3週間前、LINEスタンプを作って「LINE Creators Market」にリリースしたが、ほとんど売れなかった。初めての試みだったが、たぶんもうやらないと思う。

 作ったのは「ミスターフィンテックの業界用語スタンプ」。もともと作ろうと思ったきっかけは、FinTech業界のコミュニケーションの活性化に寄与できないかという思いからだった。

 そもそも、我々メディアは誰かと誰かを媒介する立場。金融業界とIT業界は様々な点で文化が異なる。服装から始まり、考え方、スピード感、どちらがどうということでもなく、とにかく違う。LINEスタンプをきっかけにLINE IDの交換などでフランクに繋がっていけば思ったが、考えも、見通しも甘かった。

 しかし、せっかく制作したのでこのコラムで活用したいと思う。

2016年年末に起きたAPI公開議論

(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)
(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)

 ご覧のとおり、このスタンプは活用方法がかなり限定されてしまう。

 2016年から2017年にかけ、FinTech業界において銀行によるAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の公開は大きなテーマだった。銀行がAPIを公開することで、スタートアップ企業は銀行の情報を活用した様々なサービスを作り出せる。ひいては、銀行を中心としたエコシステム形成が可能になる。

 だが、API公開で突如、問題が降って湧いた。API公開に伴う改修費用をどこに負担を求めればよいのか、銀行のシステムを開発するベンダーが右往左往してしまったのだ。銀行側なのかスタートアップ企業側なのか。あるベンダーはスタートアップ企業に請求する動きを見せた。結果、Webスクレイピングで情報を取得していたスタートアップ企業からすれば、APIの公開が逆に負担になってしまうという事態を招いてしまった。

 そんなわけで、このようなコンボ(連続)利用を考えていた。

(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)
(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)
(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)
(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)
(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)
(ディレクション:エディット、イラストレーション・デザイン:岸本敬子)