Mastodon(マストドン)というSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)をご存知だろうか。4月半ば頃から急速に普及が進んでおり、今日現在もネットを中心にあちこちで話題になっている。
ユーザーインタフェース(UI)や使用感はTwitterに似ているが、同サービスが米ツイッターの運営するサーバーだけでサービス提供されるのに対し、Mastodonはオープンソースをベースとした分散型アーキテクチャーを有している。そのため、サーバー(インスタンスと呼ぶ)を、それこそ個人でも構築・運営できる。
利用者は自分の好みに応じたそれぞれのインスタンスでアカウントを取得でき、Twitterのようにフォローした相手を自分のタイムラインに表示できる。一方、アカウントを取得したインスタンスのタイムラインと、そのインスタンスが接続している先のタイムラインも読める。
広く普及したTwitterのUIやユーザーエクスペリエンス(UX)を踏まえながら、単一システムの閉塞感から逃れられるかもしれない──。こうした期待が先行し、特に日本でTwitterに辟易(へきえき)していた向きを中心に、ユーザーが急増したようだ。
早速使ってみたが…
筆者もこうしたサービスには関心があるし、流行りものにはすぐに飛びつくタイプなので、まずは使ってみた。数日たった段階での結論は「現時点では使わない」つもりだ。
理由はいくつかある。筆者は、現在日本最大級の規模となっているインスタンスで、アカウントを作成したのだが、登録時にメールアドレス、希望するアカウント名、そしてパスワードを問われた際にふと「このサービスを本当に信用していいのか」ということが脳裏をよぎった。直観なのでうまく説明できないのだが、アカウント管理にどこか雑な印象を受けたのだ。
予感は的中した。ユーザーの急激な増加に伴い、このインスタンスは開始早々にサーバーを引っ越した。その際に従来のアカウント情報が消失してしまった。結果として消失前のアカウント名を再度取得できたのは単なるラッキーで、こうした経緯から運営が十分に行き届いていない印象を受けた。