ディスクI/Oのボトルネック解消の切り札として、フラッシュ搭載ストレージを導入する企業が増えている。これまでは、「仮想デスクトップ(VDI)」のブートストーム対策に代表されるように、ピンポイントで使うことが多かった。ところが最近は、運用管理性などのメリットも加味し、フラッシュを第一の選択肢と考える「フラッシュ・ファースト」へと導入方針も変わってきた。

写真●三菱UFJリースが導入した「IBM FlashSystem」
写真●三菱UFJリースが導入した「IBM FlashSystem」
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 日経コンピュータ12月25日号の特集記事の取材を通じ、筆者は「フラッシュの威力」にあらためて驚いた。

 フラッシュのみを搭載した「オールフラッシュストレージ」であれば、「IOPS(1秒間に可能なI/O回数)」性能が100万回を超えるような製品も珍しくない。HDDベースの従来型ストレージからデータを移行すれば、バッチ処理時間やオンラインレスポンスは劇的に短くなる。ただ、そこまでは当たり前のことだ。

 筆者が実感したフラッシュの威力は、その先の“異次元チューニング”にある。オールフラッシュを導入し、夜間バッチの処理時間を短縮した三菱UFJリースの事例を紹介しよう(写真)。