まずは下の写真をご覧いただきたい(写真1)。インターネットの仕組みや技術に関する、ある人の学習ノートだ。開いているのは、ネットワークを学ぶ上で欠かせない「OSI参照モデル」に関する部分。所々に付けられた赤丸や余白の細かい書き込みなどから、熱心に勉強したことが伝わってくる。
このノートを作ったのは、一体どんな人物だろう。情報処理の基礎を学んでいる大学生か、はたまたIT系企業の新入社員か。
正解はどちらでもない。ノートの主は88歳の高橋初男さん。ユーザーとして日常的に接しているインターネットの成り立ちや理論を知りたいと考え、一から学習を始めたという。
学びの舞台となったのは、インターネット経由で大学が配信する講義を無料で受けられる「gacco」(画面1)。NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが2014年2月に公開したサービスだ(PC Onlineの関連記事:“ケータイの会社”がなぜMOOC?――NTTドコモの教育事業戦略)。