筆者が所属する日経Linuxの誌面で初めて「Docker」を取り上げたのは、ちょうど1年前に発売した2014年1月号だ(関連記事)。当時日本では、まだ知る人ぞ知るソフトウエアだったように思う。しかしその後は、一気にメジャーな存在になった。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL)などのLinuxディストリビューションがDockerを搭載するようになり、RHEL Atomic HostやCoreOSといったDockerの利用に特化した軽量Linuxも登場している。後述するように、主要なパブリッククラウドがここ2カ月ほどの間にDockerベースのサービスを相次ぎ発表している。今やLinuxの専門家でなくても、ITエンジニアなら誰でもDockerについて一度は耳にしたことがあるだろう。特にITインフラを担当するエンジニアなら、実際に使ってみたことがある人も少なくないはずだ。

 Dockerは今後、広く使われるようになるだろう。加えて筆者は、Dockerが浸透していくと、情報システムの開発・運用のプロセスにも大きな変化をもたらすのではないかと考えている。