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記者の眼

工場IoT、急拡大前夜

竹居 智久=日経コンピュータ 2017/12/05 日経コンピュータ

 「エポックメーキングなことだ」。2017年11月6日に都内で開かれた「Edgecrossコンソーシアム」の設立発表会。登壇者の1人だったオムロンの宮永裕執行役員副社長の発言に大いにうなずいた。工場でのIoT(インターネット・オブ・シングズ)活用が急速に拡大するのではないだろうか。やろうと思えば「できる」という状態だった工場IoTが、特に意識しなくてもできる当たり前のものになるからだ。

 Edgecrossコンソーシアムは、生産設備とITシステムを連携しやすくする目標を掲げる業界団体だ。アドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機の6社が幹事会社となって設立した。生産設備の近くに置いたコンピュータで、生産設備のメーカーや機種、ネットワークの違いを吸収するソフトウエアを動かせるようにする。もともと三菱電機が2017年3月に発表した「FA-ITオープンプラットフォーム構想」に共鳴した企業が集まり、業界横断の取り組みとなった。

2017年11月6日に都内で設立発表会を開いた

 生産設備をネットワークに接続し、センサーや稼働実績などのデータを収集して品質や工程の改善、装置の異常発見などに生かそうとする取り組みの歴史は古い。駆け出しの記者だった2001年に、オリンパス(当時の社名はオリンパス光学工業)が製造工程での検査データや設備の調整値などのデータを収集して品質改善に役立てた事例を取材したことをよく覚えている。「IoT」という言葉がもてはやされるようになったとき、製造業の関係者からは「昔からやってきたことじゃないか。何をいまさら」という声もよく聞いた。

 そうした歴史があるなかで、Edgecrossが大きな一歩になるとの期待を持っている。ある生産設備のデータを取り出すために専用のソフトウエアを開発する必要があったり、複数の生産設備にまたがってデータを収集するためにメーカーの選択を制限されたりすると、どうしても用途は限定的になる。つなごうと思えばつなげられる状況にとどまっている限り、よっぽどの効果が見込める用途でなければ費用や手間はかけられない。

 Edgecrossのようなソフトウエア層ができると、大半の生産設備がつながっていることが当たり前になる。PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)と呼ばれる制御装置や産業用ロボット、操作用コンピュータなどのデータを特別な手間をかけなくても取り出せるようになれば、工場におけるIoT活用の機運は高まる。「あのデータとあのデータを合わせて分析したら見えてくるかもしれない」といったアイデアを実践しやすくなるだろう。

 関連するITシステムの市場拡大への期待は大きい。ITシステムを提供する立場から幹事企業に名を連ねたNECや日本IBM、日本オラクルは「工場をIoT化するシステムが提案しやすくなる」と口をそろえる。工場を持つ企業も注目しているようだ。FA(ファクトリー・オートメーション)関連の展示会「システムコントロールフェア2017」(2017年11月29日~12月1日、東京ビッグサイト)に設けたEdgecrossコンソーシアムの展示コーナーは来場者でにぎわっていた。

「システムコントロールフェア2017」の展示コーナーでは多数のメーカーの設備がつながることをアピールした
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 これまで生産設備のメーカーは独自のネットワーク規格を広げることで自社製品の購入を促そうとする傾向が強かった。「もはや囲い込みが許される時代ではない」。ある生産設備メーカーの関係者はこう漏らす。つながることを競っていては工場の革新は進まないという危機感が業界全体に広がったのだろう。Edgecrossコンソーシアムには幹事企業の6社に加え、生産設備やITシステムを手掛ける国内外の大手が名を連ねた。

 Edgecrossコンソーシアムは2018年春からFA機器とITシステムの仲介役となるエッジコンピュータの基本ソフトを有償で提供し、そのエッジコンピュータで動くアプリケーションソフトウエアをネット上のマーケットプレースで入手できるようにしていく。ソフトの価格は今後決める。

 コンソーシアムに期待するのは、基本ソフトの価格をなるべく抑えることだ。アプリケーションソフトで稼ぐのは構わない。でも、基本ソフトで稼ごうと考えてしまったら以前と変わらなくなる。IoT活用の障壁を低くするという本来の目標に沿った価格設定が全体の市場拡大につながるはずだ。

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