トヨタ自動車とチームラボが共同開発したスマートフォン/タブレット向けの知育ゲーム「Mobilmo(モビルモ)」。車輪やエンジンといったパーツを組み合わせて乗り物を作り、架空の惑星を探検するシミュレーションゲームだ。牧歌的な見た目とは裏腹に、あえて不親切さを残している。その真意を探った。

トヨタ自動車とチームラボが共同開発した知育ゲーム「Mobilmo(モビルモ)」
トヨタ自動車とチームラボが共同開発した知育ゲーム「Mobilmo(モビルモ)」
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 モビルモは、iOSとAndroidのスマートフォン/タブレット向けのアプリケーションだ。トヨタが2017年7月から順次、配信を始めた。

 基本的なパーツとして、車体に使う球や立方体、回転する車輪やロケットエンジンのような推力装置などがある。それらのパーツを組み合わせると、自動車の枠を超えた乗り物を簡単に作れる。ゲーム中に登場する乗り物は、自動車だったり、尺取り虫のような動きをしたりと、作り手によって千差万別だ。

 モビルモの開発プロジェクトを統括したトヨタ自動車の松田進マーケティング部長は「移動すること、モビリティーに対する自由なアイデアを、子供たちから得たかった」と企画意図を語る。

 モビルモの開発は、車を題材にしたイラストのコンテスト「トヨタ 夢のクルマアートコンテスト」の10周年企画が発端だ。「表現手法の多様化が進むなか、一方通行の紙ベースでは子供たちのインスピレーションを得る機会を失いかねない」(同氏)という危機感を背景に、2015年11月にスタートした。

トヨタ自動車の松田進マーケティング部長
トヨタ自動車の松田進マーケティング部長
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 夢のクルマアートコンテストは2004年から開催。11回目の2016年の応募実績は約83万点で、累計では460万点の作品を集める世界規模のコンテストだ。合作は禁止で、400×550mm以下の紙に15歳以下の子供たちが手書きで夢のクルマを描く。

トヨタ 夢のクルマアートコンテストの公式サイト
トヨタ 夢のクルマアートコンテストの公式サイト
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