「原稿のやり取りにGitHubを使いませんか?」--。ある特集記事に関する打ち合わせの中で、著者から提案されたものだ。

 GitHub(ギットハブ)は、ご存じの方も多いだろう。バージョン管理システム「Git」を使った、ソフトウエア開発プロジェクトの運営をサポートするWebサービスである。複数人での開発の際、ソースコードのバージョンを管理したり、あるバージョンのクローンを作成して自分のパソコンにソースコードをダウンロードしたりすることが可能だ。

 ソースコードの管理に使われるイメージが強いGitHubだが、実はソースコードの管理以外にも利用できる。実例を挙げると、フリーのフォントを集めたサイトや、料理のレシピを共有するサイトなどにも使われている。料理のレシピに変更を加えたり、改良したりする“バージョン管理”にGitHubを使っているわけだ。

 これらの例と同様に、原稿の編集・修正箇所をGitHubで管理し、効率よく編集作業を進めませんか、というのが、冒頭に紹介した著者のからの提案だった。

 考えてみれば、編集作業は、ソースコードの管理に似ている部分がある。もちろん細かい段取りは各社・各媒体ごとに異なるだろう。特に日経ソフトウエアの場合、扱っている内容がプログラミングであり、ソースコードを含む内容だ。そのため、著者からいただいた原稿やソースコードを編集し、その変更内容を著者に確認してもらい、さらに修正した内容を受け取り……という作業を繰り返しながら、細部を詰めていく。まさに、ソースコードの編集と同じような作業なのだ。

 冒頭の著者は、他社の雑誌にも寄稿したことがあり、他誌ではGitHubを使って原稿を管理しているとのこと。実際のプログラミングを行う開発の現場では多く利用されていることは知っていたが、GitHubを使って原稿を管理することまでは思い付かなかった。ユーザーを限定して利用するには有償契約が必要だが、原稿の変更点がひと目でわかり、バージョンごとに管理できるのは大きなメリットだろう。