写真1●ゴルフコンペのトロフィーを掲げるFPTコーポレーションのチュオン・ザー・ビン会長
写真1●ゴルフコンペのトロフィーを掲げるFPTコーポレーションのチュオン・ザー・ビン会長
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 小雨の降る11月のある週末。千葉県にあるゴルフ場のクラブハウスで、「ベトナムのビル・ゲイツ」という異名を持つ同国のICT最大手FPTコーポレーションのチュオン・ザー・ビン会長は、フォーを取り分けていた(写真1)。

 オフショア開発を主力とする傘下のFPTソフトウェアの日本拠点、FPTジャパンが開催した懇親会の参加者たちに、ベトナム料理を振る舞うためだ。日本の大手ITベンダーやユーザー企業の参加者たちから親しく声をかけられ、受け答えする姿はどこまでも謙虚である。

 この光景を目にした筆者は、「日本の大手ITベンダーに分け入って、同社が受注合戦に加わる。そんな日は遠くないかもしれない」。そんな思いを抱いた。

ベトナムナンバー1では満足せず

 少しうがった見方をすれば、必要以上に謙虚である理由はないように思える。社会主義路線の見直しを掲げた「ドイモイ政策」の波に乗り、1988年にFPTを創業して26年。ベトナムで1、2を争う巨大民間企業にまで育て上げた(写真2)。

写真2●ベトナムで開催された「ASOCIO ICT SUMMIT 2014」で講演するビン会長
写真2●ベトナムで開催された「ASOCIO ICT SUMMIT 2014」で講演するビン会長
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