多くの企業と同様、当社も業務用のメインマシンはWindowsだ。出版社なので制作部門では大量のMacが稼働しているが、編集部門や広告、販売、管理部門はWindowsが主体。そんな中で、筆者はあえて日々の業務にMacを愛用している。

 もともとアップル関連の企画や記事を多く担当しているという背景があるためだが、そうした事情を抜きにしても、Macを使った方が何かと便利で快適だと感じている。とりわけ、フォントを含むMacの画面表示の美しさを実感する機会は多い。小さな差異のようだが、コンピューターの前で過ごす時間が半端ではないだけに、これは無視できないポイントだ。

 会社で使用しているのは、iMac 27インチ(Late 2012)モデル。同じタイミングで、自宅のパソコンも同じものにそろえた。画面サイズや利用アプリケーションを共通にしているため、自宅で仕事の続きをする際にも違和感がない。

 もちろん、何を便利で快適と感じるかは個人差があるし、慣れの問題も大きい。業務によっては、はなからMacはお呼びでないケースも多いだろう。それでも、個人の頭の中を目に見える形にする“創造ツール”として考えるなら、Macという選択肢はなかなか現実的だ。

 クラウドサービスが充実してきた昨今、Macだからといって、ことさらハンデに感じるシーンもない。だったら、自分の好きな環境で気分良く仕事ができた方が作業もはかどるというものだ。

 とはいえ、会社のシステムがWindowsを前提に組まれている以上、どうしてもWindowsの力を借りないとダメなシーンもある。

 例えば自分の場合、社内のActive DirectoryにスムーズにアクセスするためにはWindowsが必要だし、自宅では会社のVPNにアクセスするのにWindowsが必須だった。そのため、Macをメインに使いつつも、「Parallels Desktop for Mac」という仮想環境構築ソフトを使ってMacのOS上でWindows 7を動かし、日々の業務をこなしてきた(写真1、写真2)。

写真1●Mac上にWindowsの実効環境を構築できる仮想化ソフト「Parallels Desktop for Mac」。最新版は今夏にリリースされた「バージョン10」だ
写真1●Mac上にWindowsの実効環境を構築できる仮想化ソフト「Parallels Desktop for Mac」。最新版は今夏にリリースされた「バージョン10」だ
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●画面のように、複数のゲストOSを同時に実行できるのが仮想化ソフトの特徴。ゲストOSは別途ライセンス購入しなければならないが、ハードウエアは1台で済む
写真2●画面のように、複数のゲストOSを同時に実行できるのが仮想化ソフトの特徴。ゲストOSは別途ライセンス購入しなければならないが、ハードウエアは1台で済む
[画像のクリックで拡大表示]