「日本の技適マークは付いていないのか…」。2年ほど前、そう落胆した新製品がある。Raspberry Pi(ラズパイ)が火付け役となった名刺大PCボードの新製品、中国DFRobotの「LattePanda」だ。CPUとしてx86コアを持つ米インテル製プロセッサを備え、フル機能のWindowsが動くのが特徴。2017年9月に日本の電波法に基づく認証、いわゆる技術基準適合証明(技適)を取得して2年遅れの日本上陸を果たした。

中国DFRobotのPCボード「LattePanda」。写真はメモリー2Gバイト版のもの(以下同じ)
中国DFRobotのPCボード「LattePanda」。写真はメモリー2Gバイト版のもの(以下同じ)
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 LattePandaは、2015年12月にクラウドファンディングサイト「Kickstarter」でWindowsが動くPCボードとして注目を集めた。資金獲得を経て2016年の3月に出荷を始めた。

 ただ発売当時は、日本では使えなかった。LattePandaは無線インタフェースとして無線LANとBluetoothを搭載しており、国内では技適を取得していない状態で電波を発するのは電波法に触れる行為だからだ。シールドルームや電波暗室といった環境でなければ試用さえできない。2017年9月にようやく技適を取得し、秋月電子通商などが店頭やECサイトでの取り扱いを始めた。

 LattePandaの最大の特徴は、CPUとして⽶インテルのAtom、つまり⼀般的なパソコンと同じWindowsが動作するx86プロセッサを搭載する点だ。ラズパイをはじめとするPCボードの多くは、ARMコアのプロセッサと、ARM対応のカーネルの代表格であるLinuxベースのOSを採用する。一方LattePandaのOSはWindows 10。しかもプリインストールの状態で出荷している。

LattePandaのWindowsシステム情報
LattePandaのWindowsシステム情報
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