ITproの運営に携わり、Webサイトの改善について日々頭を悩ませている筆者が、Webサイト改善ビジネスを展開する米Optimizelyに取材した。ここでは同社が展開するツールの解説だけでなく、ITproについて改善提案も複数聞いた。

 特にそのうちの一つは、これまで培ってきた筆者の常識を外れたものであり、その直前に感じていた疑問の解決に役立つものとして興味深かったので、この場で紹介したい。

最適な記事タイトルの付け方で悩む

写真●Optimizelyのニック・ベナビデス氏(左)とダン・グレーザー氏
写真●Optimizelyのニック・ベナビデス氏(左)とダン・グレーザー氏
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 ITproで公開する記事を編集する筆者に限らず、Webサイトの運用に関わる担当者にとって、サイトのゴールを明確にし、そのゴールを効率よく達成できるようサイトを改善することは重要な役割の一つになっている。闇雲にコンテンツの量を増やせばよいというわけでなく、個々のコンテンツの価値をどう高めるか、あるいはどのようなサイトのデザインが読者にとって最適なものなのかを試行錯誤する毎日のはずだ。

 Webサイト上のゴールはそれぞれのサイトによって異なる。会員登録数を増やすとか、サービスの利用回数を増やすとか、資料請求の件数や商品の予約・購入を増やすとかいうように、それぞれの企業のビジネスと直結したゴールに向けて、Webサイトが何をできるかを問われている。

 ITproにもいくつかのゴールがあるが、一番わかりやすい例として説明できるものは、ページビューをどれだけ高めるかだ。筆者自身もサイト全体のページビューが高い日は「好調」と感じるし、前日や前週の実績に比べて低い日はなんとなく陰鬱な気分になる。

 個々の記事がどれだけ読まれたか、つまりページビューは、記者そして記事を査読した編集者(デスク)にとって大きな意味を持つ指標だ。どんなテーマを記事の題材に選んだとか、どんな取材相手からどんなコメントを引き出したかとか、さらに記事にマッチしたどんなタイトルを付けたかという一連の編集活動の成果が、ページビューという客観的な数字で表れてくるからだ。