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記者の眼

市民がお客様、要望に即対応を目指した千葉市クラウドの1年後

清嶋 直樹=日経コンピュータ 2015/10/23 日経コンピュータ
写真1●「ちばレポ」の狙いを記者会見で説明した熊谷俊人市長(2014年8月28日)
[画像のクリックで拡大表示]

 1年前の2014年8月に、千葉市がITを活用した新たな行政改革の試みを始めるという趣旨の記者会見があり、筆者も出席した。その名も「ちばレポ(ちば市民協働レポート)」という。

 熊谷俊人市長は「市民が地域づくりに参画するきっかけにしたい。千葉市のモデルを他の自治体にも売り込んでいきたい」と説明した(写真1、関連記事:千葉市が「ちばレポ」アプリ、道路陥没などへの対応状況をガラス張りに)。

「すぐやる課」のIT版

写真2●Androidスマートフォン用「ちばレポ」アプリの画面
[画像のクリックで拡大表示]

 ちばレポのユニークな点は二つある。第一に、とかく「対応が遅い」と言われがちな行政の動きを“ガラス張り”にするという点だ。

 連想されるのは、同じ千葉県にある松戸市の「すぐやる課」である。1969年にできた時から全国的に知られ、今も正式な課として存在する。

 松戸市もすぐやる課で、道路の補修や側溝の清掃などの要望を受け付けている。同様のすぐやる課は他の自治体にも広がっており、それ自体は珍しくはない。だが、千葉市のちばレポはITを活用し、要望の具体的な内容や進捗状況といった「生情報」まで“ガラス張り”で公開している点がユニークだ。

 ちばレポでは、登録した千葉市民が市内で見つけた道路の損傷や公園のベンチの不具合などをスマートフォンアプリから報告できる(写真2)。その後、市当局の受理状況や対応の進捗、完了などの報告もシステム上で行われ、その過程はすべて公開される。

 第二にユニークなのが、千葉市がこのシステムを他の自治体に使ってもらうための“売り込み”に積極的であることだ。熊谷市長は1年前の記者会見で「私自身もトップセールスを進めている。千葉市以外でも『ちばレポ』を使ってもらいながら、行政改革のツールとして発展させていきたい」と述べていた。

 ただし、市職員の抵抗や市民へのPR不足、他市との利害の相違など様々な理由で、千葉市のもくろみが頓挫するリスクもありそうだ。

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