週刊「モーニング」で連載中の電子工作マンガ「ハルロック」はご存じでしょうか。

 電子工作が大好きな女子大生、晴ちゃんが面白発明でみんなを幸せにする(困らせる?)漫画です。人気のPCボード「Raspberry Pi」(ラズパイ)やマイコンボード「Arduino」、各種センサーなどを使った電子工作がたくさん登場します。連載第1話と読み切り版はWebサイトで読めます。

写真1●電子工作マンガ「ハルロック」
写真1●電子工作マンガ「ハルロック」
単行本2巻は10月23日に発売。
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 ハルロックの2巻(写真1)11話に登場する、Twitterで猫を見守るシステムを日経Linuxの11月号で再現してもらいました。記事を書いたのは、ハルロックの技術アドバイザーである、作者・西餅さんの旦那さんと、その友人で組み込みのプロであるニャロ・コンピュータの鳥居順次さんです(アドバイザーの役割はこちらのインタビュー記事を参照)。

 再現したシステム「neko-tter」では、猫の首輪に加速度センサーと無線マイコン「TWE-Lite」を取り付けます(写真2、3)。それで猫が寝たり、走り回ったりすることを検知。水飲み場やトイレにも無線マイコンを置いて、どの猫が近付いたかが分かるようにします。集めた情報はラズパイがTwitterを使って、出掛けている飼い主に通知します。最大5匹の猫を管理でき、西餅家では2匹の猫に付けてもらって動作を確認しました。

写真2●西餅家のちょびに首輪デバイスを付けたところ
写真2●西餅家のちょびに首輪デバイスを付けたところ
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写真3●首輪デバイスのフタを開けたところ
写真3●首輪デバイスのフタを開けたところ
電池ホルダーの裏に無線モジュールと加速度センサーが入れている。
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 このシステムを作る課題の一つが、首輪デバイスの小型化でした。中に入れる回路は、加速度センサーと、チップタイプの無線マイコンを小さな電池ホルダーに直づけすることで小さくまとめました。しかしデバイス用のケースは市販製品では良いものが見つかりません。そこでケースは3Dプリンターで作ることにしました。3Dプリンターなら、ぴったりのサイズで作れ、首輪のヒモも引っ掛けるクリップまで成型できます(写真4)。

写真4●3Dプリンターでケースを出力したところ
写真4●3Dプリンターでケースを出力したところ
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 実は日経Linuxでは誌面が足りなかったため、3Dプリンターを使ったケースの制作については詳しく解説できませんでした。どうやったら今回のようなケースを作れるのか、アドバイザーさんに伺った基本を紹介します。