「毎日カラコンを付けるので、自動でコンタクトを入れてくれる装置が欲しいです。女の子の時短に役立つものがいいですね」――。今年で2回目になる「みんなのラズパイコンテスト2015」の受賞作品発表会で、イメージキャラクターの「にこるん」こと藤田ニコルさんが言った「自分の欲しい」はこれでした(写真1)。

写真1●「みんなのラズパイコンテスト2015」のイメージキャラクターの藤田ニコルさん(にこるん)
写真1●「みんなのラズパイコンテスト2015」のイメージキャラクターの藤田ニコルさん(にこるん)
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 みんなのラズパイコンテストは、人気のPCボード「Raspberry Pi」(ラズパイ)活用した作品やアイデアを募集して、皆で共有することを目的としたコンテストです。今年も100件を超える応募が集まりましたが、中でも目立っていたのが「自分の欲しい」を実現したものでした。

 「これがあれば便利なのに」と感じたら、手軽に実現できるのがラズパイの良いところです(写真2)。5000円程度と安価で、センサーやモーターも簡単に取り付けられます。カラコンを付ける装置は、安全性から見てちょっと実現は難しそうですが、お店には売っていない、自分だけの便利グッズを今年はたくさん応募してもらいました。

写真2●名刺サイズと小型のLinux PCボード「Raspberry Pi」
写真2●名刺サイズと小型のLinux PCボード「Raspberry Pi」
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50万円かかるものを1万8000円で実現

 グランプリを獲得した大槻正樹さんの「天体を静止画として長時間撮影できる装置」も、自分の欲しいを実現した作品でした。

 星空を長時間露光して撮影すると、地球の自転で星は流れてしまいますが、それを防ぐ「赤道儀」という装置があります。望遠鏡を自転の速度で回転させることで静止画で撮れるようにしたものです(図1)。しかし、焦点距離が長い超望遠レンズを使ったときには赤道儀だけでは精度が足りず、補正が必要になります。

図1●「天体を静止画として長時間撮影できる装置」の仕組み
図1●「天体を静止画として長時間撮影できる装置」の仕組み
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 そこで大槻さんは、赤道儀にもう一つ取り付けた望遠鏡にWebカメラを付けて、その映像から画像認識により星の動きを把握し、赤道儀を補正する装置をラズパイで作りました。