1週間前の2014年9月19日、朝から晩まで人と話をした。実際に会って対話したり、電子メールを交換したり、事務所で同僚と打ち合わせをしたりして1日を終えた。午前中の相手は社外の方々で午後はすべて同僚であったが、午前のやり取りで気になることが出てきてしまい、終日その件が頭から離れなかった。

 「気になること」を説明する前に19日の様子を日記形式で振り返ってみたい。

8時:あるエンジニアからメールが来た。様々な仕事場に行きたいと自ら手を上げ、実際に行かせてもらった、その経験が今の自分をつくった、とある。彼の活動を紹介する記事を書いていて「どのくらい経験を積んだ人なのか」が気になりメールで質問したところ「9年」という回答が来て驚き「たった9年ですか」と応じたところ上記の回答が送られてきた。彼が開発したシステムや記述したプログラムを見たわけではないが発表資料やブログを見る限り、しっかりしたエンジニアである。9年の経験でも人は伸びる。

10時半~12時:渋谷駅近くで大手製造業の方に会う。初対面。ほぼ同年齢。特定の部門を率いるラインマネジャではなく、社内外で難しい案件が発生するたびにプロジェクトを起こして解決する役回りという。電気、機械、素材、ソフトウエア、何でもこなす。その力をどう付けたのかと尋ねると「若い頃、何でも丸投げする上司の下にいて酷い目に会ったから」と笑った。「若い頃」はいつかと重ねて尋ねると予想通り「20代」という答えだった。

13時:白金高輪の事務所に出社。10月29日から開催される社会イノベーション/Smart City Week 2014のオープンシアターで実施するセミナーについて日経BPクリーンテック研究所の研究員と打ち合わせ。その途中背後から「谷島さん、出社しているのですね」と営業部門の女性社員から声をかけられる。悪い予感。続いて日経テクノロジーオンライン編集部に寄り、9月末に公開する記事について副編集長と相談。

14時:別の階に移動しようとしたが先の女性社員の上司に見つかる。部下から聞いて探しに来たという。女性社員とその上司に会うと仕事が必ず増えるため今日は会うまいと思っていたが失敗。ある会議のオブザーバーをしてほしい、ある企画に関して取材を受けてもらいたい、という話。両方断るわけにもいかずオブザーバーは引き受ける。取材の件は夕方再度相談。